暴走の静まり

「ふー。やっと外れました。」
息を切らせながら、瑠璃が他の二人に言った。
　瑪瑙は先に湯屋に入ってしまった後だった。
すると、翡翠が
「では、まず邪気の元は何処でしょうかね。」
そこで、宇宙が
「あっちですよ。行ってみましょう。」
　やっと風水の元に着くと、風水が言った。
「また会ったな。翡翠。」
それに対して翡翠は、
「ああ。この前、宇宙に取り付いていた。亡霊ですね。」
「そうだ、よくわかったな。」
「当たり前ですよ。それより、今度は人の力を借りずに
　来てって、言ったじゃないですか。」
（わからない方は、「引っ越します」を読んでください）
「誰がそんな事を言ったか。」
「あれ？聞いてなかったんですか。」
その一言を聞いた瞬間、風水が変化し始めた。大きな龍の姿に。
「ふふふ。この姿になれば、もう向かう所、敵なしだ。」
「何ですって～。」
そう言うと、龍に変身した瑠璃と宇宙が風水に向かって行った。
「馬鹿め。このわしに勝てると思っておるのか。」
そう言うと、二人を特製の結界の中に閉じ込めた。
「この中には、お前の姉と桃矢も入っているぞ。」
と、笑っていった。
「えっ。桃矢も来ていたんですか。」
「そうだ。だが、わしを倒さなければこの結界は解けんぞ。」
「仕方がありませんね。本当は攻撃はしないつもりだったんですけどね。」
　そして、攻撃魔法を唱え始めた。
「風火地水、木水土日、雷魔水雷。」
唱え終わると、今回はゴムマリのような、魔法弾が現れた。
「そんなものでわしを攻撃するのか。」
翡翠を馬鹿にしていた、悪霊も玉が当ると激しい痛みを覚えた。
「翡翠。貴様、わしに何をした。」
「ん。ちょっと、痺れて動けなくしただけですよ。」
「くそう。」
悪霊は悔しそうにそう呟いた。
　すると、翡翠が今度は悪霊退治の魔法をかけ始めた。
「水雷火風、闇と光、この両立のとれし世界を破壊せよと企む者、地の底、
　奈落に落ちよ。」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ。」
すると、風水の足の下の部分が光り、悪霊が落ちていくと、風水の顔が元に戻り、
結界に閉じ込められていた、四人が出て来た。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

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