祝いの宴

　宇宙が引っ越してきて二週間目、宇宙も湯屋の仕事に慣れてきた、ある日。
湯屋の主人の和樹が、瑪瑙、翡翠、瑠璃、宇宙の四人を呼び出した。
きっちりと片付けられた部屋に来て、瑪瑙が言った。
「あのう、私達に何の御用でしょうか？」
すると､和樹が
「いや、たいした事じゃないがね。今度、ここに川の神、「風水」様が来るんでね。
君達に接待してもらおうと思ってね。」
これには翡翠もびっくりです。
「はい。でも、その日は休みで妹と約束をしてしまったんです。」
「じゃあ、妹も連れてきてくれたまえ。」
これには四人とも、
「はい。」
と答えるしかありませんでした。
　その日、家に帰って琥珀に今日の出来事を話してあげました。
「それで、琥珀は湯屋に行く？それともお留守番？」
「琥珀、湯屋に行く。」
　その時、瑪瑙が翡翠にウィンクしたのに気付いてウィンクを返しました。
そして、風水主様が来る日。五人はとってもおしゃれをしました。
瑪瑙は、その紫の髪にあう紅い浴衣。
翡翠は、青い髪なので緑の浴衣。
宇宙は、黒い髪だから紫。
瑠璃は、緑の髪で青い浴衣。
琥珀は、薄い黒なので紫の浴衣にしました。
　そして、湯屋に風水様がやって来ました。
「いらっしゃいませ。」
「桜の間にどうぞ。」
　緊張しながらも頑張る四人。
琥珀は、あまり緊張してないみたいです。
「こちらでございます。」
半日近く宴を開いた後、風水様がお風呂にお入りになり、もう眠る。
と言うので、琥珀以外の五人は風水様にご挨拶をして帰っていきました。
　どうして琥珀が挨拶をしなかったかと言うと、その時には眠っていたからです。
「まだ、小さいから仕方がないよ。」
と言って、瑪瑙がおぶって帰りました。
「また明日。」
と言ったけれど、みんな次の日は一日中ねていたそうですよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

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