黒い影
「飛鳥様、一週間だけ待ってくださいね。」
「わかった。一週間だけだぞ。」
そう言うと、飛鳥は消えていった。
「じゃあ、いったん家に帰りましょうか。」
「そうね。じゃあ、琥珀は置いていきましょう。良いでしょう、
主神様。」
「良いじゃろう。では、一週間後に必ず来るんじゃよ。」
「はい。」
「じゃあ、僕は瑪瑙姉ちゃん達の家にいても良い？おじいちゃん。」
「楽しんでおいで。」
「ありがとう。おじいちゃん。」
そう言うと、五人は帰っていった。
「さて、琥珀を寝室に連れて行ってやろうかな。」
その時後ろから、
「フフフ。」
不気味な笑い声がした。
「何者じゃ！」
声はむなしく響いた
「くっ。」
「じゃあ、琥珀は貰っていくよ。」
影は消えさり、後には一頭の龍が残った。
「ふ〜。一週間って短いね。」
「そうだね。でも、早くじいちゃんに会いたいな。」
「急ぎましょうよ。」
「そうだね。」
「では、変身しません？」
四人一緒に、
「賛成。」
主神の家に着いた五人は何の人気も無くなっている事に気付いた。
「すいません。」
「お邪魔します。」
「誰かいませんか？」
「琥珀〜。」
「あっ。」
突然、桃矢が叫んだ。
「おじいちゃんが龍になって倒れている。」
「琥珀もいない。」
その時、飛鳥が音も無く現れた。
「飛鳥様これは？」
「すまない、こんな事になるまで阻止できなかった私が悪いのだ。」
「ええっ。」
「何が起きたんですか？」
「実は、琥珀を連れて行ったのは私の弟なのだ。」
続く
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